茄子と牛

徒然なるままに駄文を捨て書く

あなたがよかっただけの私

付き合っている人、 その時に凄まじいスピード感で仲良くなった人、 反対に長いことずっと仲良くしてくれている人 人との関係性のなかで、聴きたい曲が変わってくる 最近は少しだけナイーブだから夜の闇が心地いい 闇の中で、 カーテンの隙間から覗く夜空の…

生死

年が明けてから、私の周りで死の気配が色濃くなった 音楽に傾倒し始めた幼少期から憧れ、敬愛していた小澤征爾も 御歳八十にして尚、シンバルをジャンジャン鳴らしてくださった大塚敬子先生も 母の着付けの先生も、私の大切な人のご友人も 皆、天国へと旅立…

同期

入社から約1ヶ月。 そこまで多い訳でもないが、話したことの無い同期もいるので、重い腰を上げて私が幹事となって懇親会を開いた。 同期の9割は出席してくれて、開催して良かったなと思う。 話したことの無い子と話したくて開いた懇親会、 それでもやっぱり…

昼間は晴天で、風も日差しも気持ちいい一日だった。 光の中にいるときは心穏やかで、夏の兆しにわくわくしていた。 夜、布団に潜ると急に孤独が襲ってくる。 ひとりぼっちだと思った。 友人もいるし、両親もいる。でも、今この時を独りで過ごしている。ふと…

影をなぞる

昨日は友人のカメラの練習相手として被写体になった 緑色が鮮やかで、眩しいくらいだった 撮影中の一コマ

『BENEDETTA』

今日、タイトルにある映画を観てきた。 評論家がベネデッタのことを「超常した嘘つき」と評していたが、果たしてそうだろうか。 私には、彼女がずっと真実を述べていたようにしか見えない。 神からのお告げも、彼女の告白も、そして彼女の情欲のあり方も、全…

愚者

有楽町駅近くのカフェで、隣に座った女性2人組の声が鼓膜に響く。 ふたりともやや甲高く、ハリのある声音で、中身のない話を捲し立てるように語らっている。 「駅ナカの雑貨屋さん、最近減ったよね〜」 「ね〜!まぁコロナもあって皆出かけないから通販に移…

プロペラ

数年前に他界した祖母は、戦争の話を嫌がった。 私が小学生の時、戦争について家族と話し合うという趣旨の宿題が出たことがあった。 純新無垢な子供は、「戦争に関するあなたの経験を語って欲しい」と頼まれた当事者の負担など、考えることもなかった。 祖母は…

Going to the moon

愛と情

私が「(彼氏のことを好きかどうかわからないけど、)情があるから別れられないんだよね」と零した時に、友人は桑田佳祐の作詞を引用した。 「「愛情」という言葉があるように、愛がなきゃ情は湧かないんだよ。だから、好きって感情は無いかもしれないけど、…

若いカップルが「超綺麗」と言って足を止めた。 男性はスマホを取り出して、写真を撮り始めた。 桜の美しさはその儚さにある、と人は言う。春の訪れを告げたと思えば、風と共に去っていく。その潔い去り際に、桜に対する美意識が確立された。 久方のひかりの…

駆け足

今日は、春をすっ飛ばして夏が来てしまったような陽気だ。 まだ順番待ちをきちんとできない子が、駆け足で遊具に向かっていくように、季節も自分の出番が待ちきれなくて、慌てて出てきてしまったようだ。 梅の花は盛りを迎えた。 桜はその蕾を開かんと力を貯…

午前4時は朝だろうか。夜だろうか。 たった4日間の連休を好き勝手に生きていたら、生活リズムが狂ってしまった。 何事も堕ちる時は一瞬なのに、戻そうとするには途方もない時間と労力を要するのだと、こうなる度に実感する。 社会の活動時間に合わせた生活を…

換気のために10cm程開けられた車窓 線路上を滑らかに走っていく電車に吹き込む風は、冬にしては暖かいと感じる柔らかな日差しと相まって、穏やかな夏のそれととてもよく似ていた

電車の中で

席を譲ったり譲られたり 人がそれをしているところを見たら「素敵だな」ってその日が少し好きになれるけど、実行するのはまあまあ難しい。 というのも、席を譲る時に声をかける勇気が……とかではなく、「相手が席を譲られることを本当に望んでいるんだろうか…

新卒乙女の結婚観

大学を卒業してからは特に、女友達の口から「結婚」という言葉を聞く。 「私の地元の友達が結婚したの」 「部活の2個上の先輩が、会社の同僚と結婚したんだって〜」 そして、口を揃えて、「私も結婚できるかな〜」 2021年で齢23を迎える我々は社会人としての…

「二丁目で会いましょう」

ほんの少しの恐怖と大きな好奇心を抱いて、あの日初めて新宿二丁目へと足を踏み入れた。 メディアでよく取り上げられるような派手な見た目のドラァグクイーンは、そこら中に居るわけでは無かった。スーツ姿のサラリーマン同士が手を繋いで歩いていたり、着飾…

名古屋駅のマクドナルド

去年の今頃、私は名古屋でオーケストラの仕事があった。 ギャラが出たので「仕事」とは言ったものの、学生の分際で大層な額を貰えるわけでもなく、2ヶ月間ほぼ毎週、行きも帰りも夜行バスに乗って名古屋に通った。 名鉄乗り場に続く名古屋駅の地下街に朝7時…

花の「生」

花を見て「生々しい」と思った こちらを睨めつけているようにも感じるし はたまた誘惑せんと、じっとりとした目でこちらを見ているようにも感じる じっと見ていると気が狂いそうになる きっと、私がその花をじっと見ているように その花も私のことを見ている…