茄子と牛

徒然なるままに駄文を捨て書く

電車の中で

 

 

席を譲ったり譲られたり

 

人がそれをしているところを見たら「素敵だな」ってその日が少し好きになれるけど、実行するのはまあまあ難しい。

 

というのも、席を譲る時に声をかける勇気が……とかではなく、「相手が席を譲られることを本当に望んでいるんだろうか」という推測が吉と出るか凶と出るかが不確定だから。邪推に過ぎないことは分かっているつもりでも考えずにはいられない。

 

 

私の目的地は3駅先。今、目の前に立ったマダムはどこで降りるんだろう。

「席、ご利用になりますか?」

「私は大丈夫よ」

優しい笑みで返されてしまった。

 

気をつかってくれたのかもしれないし、彼女は大きな窓から流れゆく街を眺めたかったのかもしれないな。

 

 

 

席を譲るって難しい。